母スズ子から電話がありました。

「お父さん(ツトム)が今週の日曜日に80歳になるから帰って来ないね?」


父ツトムの年齢を忘れていました。

そういえば、もう1年以上実家には帰っていません。 


80歳という節目かあ。

ここで行かなかったら後で後悔することもあるのかなと、そんなことを考え、中2の娘を連れて鹿児島に2泊3日で帰ることにしました。


父ツトムは2年前に家で転んで頭を打ってしまい、半年間入院しました。

それ以来、言葉や歩行や記憶など支障が起こっているわけで、介護3級のリハビリな日々なわけです。


実家に帰り父ツトムに会い、最初に「俺わかる?」と聞いてみました。


するとツトム、「ユウイチか」。


名前間違っとるやんけー。

しかもそれは従兄弟の名前だ。


それはそれでいいとして、「お父さん、明日何歳になるかわかってる?」と聞いてみると、

「82」


2つも足しとるやないかーい。

「その歳で年上感を出さなくてもいいよ!」
とツッコむと、ツトムは笑っていました。


2年ぶりぐらいに娘を連れて行ったのですが、娘を見てツトムはポカーンとしていました。

成長したのもあり、覚えていないようです。


ツトムは母スズ子に言いました。

「あれは、連れ子か?」


いつの間に俺は離婚して再婚したんかーい。


翌日は、姉夫婦を交えてのツトムの誕生会だったんですが、改めて聞きました。

「お父さん、今日で何歳になったの?」


ツトム「70」


今度は10もサバ読みやがってるー。


そんなことをみんなで笑う鈴屋一家なのでした。