昔から流れに身を任せていた。
その方が割といいように進んできたからだ。

そうしたら大きい会社に入れて結婚して子どもが出来た。

こいつは運だけで生きていると思った人も何人かいるのではないだろうか。

僕は、人生の改善案を考えると、失敗してしまうバカだったのだ。


平に歩む人生もあるだろうけど、後悔する人生も味わってみていいんじゃないかみたいなことを、ジャニーズ事務所を退所する中居正広も言っていた気がするが、40半ばというのはそういう歳なのだろうか。

僕は、40半ばで会社を辞め、いろいろ重なって50間近の僕は、鹿児島にいる。

鹿児島市内でゲーム関連の仕事を見つけ、インターネットで東京のエンジニアとゲームを作り、成立するかわからない本の企画をしたりしている。

一人のんびりな会だ。

のんびりしているわけではないのだが。


会社の登記も家族も川崎のままで僕だけが鹿児島の実家にいる。

嫁と娘の「新しい地図」には合流できずにいる。

嫁からはLINEも既読スルーだ。

SMAPでいうところの森くん扱いだ。
いや、森くんは中井に返事をしたのだった。


思い描いていた50代の生活とは違うし、家族には迷惑をかけっぱなしなのだが、母親だけが「(介護が必要な)お父さんに何かあった時にいてくれると助かるがよ」と喜んでいる。

それが幸いか。


環境の変化に慣れないといけないと思ったが、よく考えると生まれた実家であった。

そんな鹿児島での生活はしばらく続くのである。