あけましてです。

年末年始はノロっぽい症状で寝込んでいました。
それでも酒を飲んでいたのでなかなか症状が治らなかったのですが。

今日はちょっと長いです。

2014年を占うわけではないですが、ぼんやりと今後のゲーム産業について考えてみたいと思っています。

昨年末に欧米でプレイステーション4が発売され、売上も好調ということですが、今の日本で言うと家庭用ゲームの売れ行きは思わしくなく、家庭用ゲームの開発よりもスマートフォン向けゲームにシフトしている会社も多く見られます。

そのスマホ向けゲームも数年前は有料版買い切りアプリがセールスランキングの上位を占めていましたが、今ではトップ100のほとんどが一部無料の運営型ソーシャルゲームです。

有料版のアプリだとユーザーから取れるお金に上限があるけど、運営型のゲームだと一人当たりの単価が天井知らずです。
9割の人が無料で遊んでもお金を払う1割の人だけで月に数千万も稼いだりしているのがランキング上位のゲームです。
(パズドラなんか月に50億以上という噂)

で、どうしてこういう状況になったのかなあと振り返ると、2009年から日本での携帯電話によるソーシャルゲームの進撃が始まったと思っています。

その頃の無料ソーシャルゲームは、グリーの「釣り★スタ」やモバゲーの「怪盗ロワイヤル」だけがヒットしている状況で、ゲーム会社は、「あんなものはゲームではない」と相手にもしていませんでした。

でもゲーム会社ではないSAPと呼ばれるゲーム開発に縁のなかったシステム系の会社達が、2010年にモバゲー、グリーのオープン化に伴ってソーシャルゲームを配信し、月に数千万の売上をばかばかと得るようになってから変わってきました。

ゲーム会社も、
「なんだか隣の島から祭りの音色が聞こえるぞ」
という程度に注目するぐらいになりました。

でもまだ本腰ではなかった。
2010年初頭は、ゲームという市場においては、大手ゲーム会社という大きな恐竜がまだ我が物顔で歩いている土地で、SAPという小さな鼠達が力を蓄えている時代でした。

でも大手のコナミがグリーで「ドラゴンコレクション(略してドラコレ)」をリリースした2010年の年末辺りから、大手ゲーム会社にも「ソーシャルゲームは儲かる」という情報が浸透していきます。

そして2011年になると、ドラコレの快進撃が進み、月に1億の売上を超えるゲームが数十本も誕生するソーシャルバブルが生まれたのでした。

その時に成功を手にしていた会社は、大手ゲーム会社ではなく、先ほど紹介したSAPと呼ばれていたシステム系の会社です。

大手ゲーム会社は、ソーシャルゲームに対する成功体験も経験もノウハウもないため、大きく出遅れました。

だから一部の大手ゲーム会社は、これまでソーシャルゲームの運営で成功している会社と組み、さらに人気の版権を乗っけることで失敗しないソーシャルゲームをリリースすることにしました。

その頃には、これまで下請けだった中小のゲーム会社も一発逆転とばかりにソーシャルゲームを数々リリースしましたが、その多くは撃沈。
「やっぱり受託で開発する方が確実」と痛感するのです。

失敗した企業は、「ソーシャルゲームとは、ぽっと出のアイデアで当たるものではなく、インフラ周りの技術力、ユーザー心理を捕らえたゲーム進行とゲームバランス、ユーザー動向の細かな数値管理といったたくさんのノウハウが必要だ」と知るのでした。

ソーシャルゲームの毎月の課金率(月に1度でもお金を払うユーザーの割合)は、遊んでいる人の10%前後。
10%前後しか払わないという前提であれば、登録者が多くないと売上も上がらないため、これまで多くの会員を抱えていたモバゲー、グリーでゲームを出すのが一般的でした。
人のいない商店街に店を構えても誰も来てくれないので、渋谷、新宿に店を出すのです。

だからソーシャルゲームを作りたい会社は、グリー、モバゲーに頭を下げていたのですが、その状態を変えたのが、2012年の「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」の登場です。

SNSに頼らず、GoogleやAppleのスマホのアプリストアのランキングに乗ることで集客を見込めるようになりました。

ここで、2009年からのゲーム市場の流れを振り返ってみると、ソーシャルゲームの登場でゲーム会社がライバルと思っていなかったインフラに強い会社がゲーム産業の恐竜になったことが、大きな転換期でした。

そして、それに必要だったのが、モバゲー、グリーという二つの大陸です。

しかし、スマホの普及とパズドラの成功でアプリストアへの大陸移動が進みました。

プラットフォームに媚びることなく、ゲームをリリースすることが出来るようになりました。
しかも個人単位で出すことが出来るようになったことが、さらに大きな転換期だと思います。

30年前にファミコンのソフトを個人で開発して販売するのは不可能でしたが、今はスマホでそれに近いことが出来ます。

大きな恐竜は身動きが取れない分、繁殖力の高い微生物がそれを倒す可能性は大いにあるのです。

個人開発で狙うとすれば、開発費と運営費を極力抑えることが必至で、そうなると「にゃんこ大戦争」のようなアプリ内課金によるソーシャルゲーム風運営型アプリが、今やるべき展開の一歩だと思います。

恐竜を鼠が食ってきましたが、その恐竜や鼠も個人開発者という微生物が食うことは可能だと思います。

大手ゲーム会社は、美麗なグラフィックや版権モノを売りにした大規模なソーシャルゲームを作るのでしょうが、その隙間で大手がいちいち手を出さない規模の市場を微生物は狙えます。

一緒に誰かやりませんか??


 
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