以前オーディオブックを企画制作したことがあり、最近何年ぶりかにそのオーディオブックの会社に企画を持ち込んだりしています。

オーディオブックの会社の岡本さん(仮名)に「オーディオブックってどんなジャンルが売れるんですか?」と聞いたところ、
「催眠とか売れますよ」とのこと。

確かに耳で聴くオーディオブックは、催眠に適しています。

しかもジャンルは幅広く、催眠でゴルフを上達させたり、催眠でダイエットを促進させたりするとのこと。
なんでもありだ。
そのうち催眠で人が月に住めたりするんじゃねーの。

昨日たまたまその催眠術師がオーディオブック会社に来るということで、僕も(仕事として)会いに行きました。

その催眠術師は、まさに業界では伝説の方だったのです。

今の30代、40代の男性には忘れられない深夜番組「A女E女」の催眠指導をされた方で、AV監督の代々木忠さんにも教えています。

80年代後半から90年代前半のエロ催眠ブームの裏側にいた本物の催眠術師だったのです。

でも会ってみると、70ぐらいの普通の(元気な)お爺ちゃんでした。

この伝説の催眠術師の逸話を一つ紹介します。


ある六本木のガールズバーが、売上が低くて悩んでいました。

「女の子の接客が弱い」と考えた経営者は、伝説の催眠術師に「店の女の子がやる気を出すように催眠をかけてくれ」と頼みました。

伝説の催眠術師は、「かしこまりました。それでは、別室で彼女達に催眠をかけますが、催眠をかけるところは絶対に見ないでください」と、「鶴の恩返し」レベルの勢いで女の子達と部屋に入ったのじゃった。

そして催眠を終えると、女の子達の接客態度は見違えるように変わり、リピーターも増えたのでした。

めでたし、めでたし。


こんな話なのですが、それでは伝説の催眠術師がどんな催眠をかけたのでしょう。

それは、接客に対してやる気を出させる催眠ではありません。
それは、こんな催眠だったそうです。


「あなたは、この店のドアが開いたら、お店に入ってくる男性を一目見て好きになる。
他の人に渡したくないぐらい好きになる。
でもその男性がお店を出て行く時、店のドアがバタンと閉まる音を聞いたら全てを忘れる」


この催眠にかかったまま接客するとどうなるか。

女の子同士が男性客の取り合いになります。

しかも本気です。
仕事抜きです。

それが伝わると男性はいい気分です。
また来ようと思います。
(僕も思います)
でもお店を出て行った瞬間に忘れるのですが。

ドアを閉めた瞬間に忘れさせるのは、私生活までその感情を持ち込ませないためです。

男性の皆さまなら思ったことでしょう。

「催眠術覚えてー」

でも伝説の催眠術師も言っていました。

「催眠は使い方を間違えると危険なんです。
怪しいことに使われるから催眠のイメージが悪くなっている」

催眠は、本来はマイナスの感情をプラスに変えることが出来る暗示であり、伝説の催眠術師もそう使われることを望んでいました。

実際に今も催眠をかけて悩みを失くすセミナーを行っているそうです。

そんな伝説の催眠術師にいろいろと「催眠」について聞いたので、その話はまた次回書きます。