なんでしょうね、昔みたいに周りに笑える天才的なおバカもいないし、仕事のことで書けることもないし、下ネタはもはや「下品」でしかくくられないしで、書いてもクソ面白くないなあと思いながらも今日は書いてみるのですが。

「クソ」といえば、去年炎上した「PERACON(ペラコン)」というペラ一のゲーム企画のコンテストが今日で締め切りです。

ペラコンとは、ゲーム会社からなる一般社団法人CESAが主催するゲーム開発者向けのイベントCEDECで開催される、ゲームの企画職を目指す人向けの企画コンテスト。
毎年テーマが与えられてペラ一枚で提出します。

今年のテーマは「キュン」。
主にゲーム専門学校の生徒が送ります。
今年の応募作はこちらで確認できます。


今回も普通に開催されたペラコンですが、昨年2020年開催について謝罪があります。

peracon

「一部の審査員のコメントに不適切な発言があり、応募者の皆様にご不快な思いをさせてしまう記述がありました」というお詫び。

「ペラコン」でググれば「炎上」という予測候補が最初に出てきます。

その火種となったのが、40代以降のゲーム業界人なら知らない人はいない「ゲームの神様」と呼ばれ、自らも名乗る遠藤雅伸氏なのでした。

お話したことはないのですが、ナムコの大々先輩。
ナムコ入社数年で「ゼビウス」や「ドルアーガの塔」を生みだしたのは偉業です。
ミスターレジェンドゲームクリエイターと言ってもファミコン世代には過言ではない功績を残した方です。

でも、1年後にほじくり返してすみません!改めて少しイジっちゃいます。

「ペラコン」は、全ての企画に審査員がコメントを記載し、「企画人材育成」が目的。
なのですが、
そこに遠藤氏が「ゲームの企画職は諦めた方がいい」「クソ企画」などの暴言とも取れるコメントを投稿者に残しまくり、当初掲載されていた審査員のコメントも今では非表示になってしまいました。

しかし、自身のTwitterでの発言は今でも残っており、ある意味「潔い!」。


遠藤2

「そうでもない」は、審査員の「いいね」などの評価の中で一番低い評価です。

このコンテスト、投稿者は所属先や本名を正直に書いて作品と一緒にネットに掲載されるのです。


遠藤1

しかし、これらのTwitterのコメントを残し続けているのは、多分自身のこのコメントがブーメランになったのでしょう。

遠藤3

遠藤氏も一生背負うこととなってしまったのでしたとさ。

さらに、

遠藤4


「クソ」の3連コンボ。
しかし、よく読むと自身も審査員を務めながらコンテストの詳細を理解していないようなコメントでした。


遠藤5

このコンテストはプロも応募できるのです。
学生達の中に混じって「プロ」と表示され、プロの中の最下位も実名で晒されます。

影響力のある方なので、自分の教え子ならあえて書かない方が良いのでは。
自身もクソ先生だったと告白しているような印象も与えてしまいます。

賞金も出ないし、優秀作が制作される方向に進む動きもない。
ただただ酷評される。
プロがこのコンテストに出す意義やメリットが分からなくなりました。
学生のお笑いコンテストに「いかちゃん」あたりが出場するような感じでしょうか。

僕からすれば、「プロマネ」で優秀だったら強いスキルだと思うんですけどね。

企画職にはいろいろあって、面白い企画を考えられる人だけが企画職ではありません。
プランナー以外にもディレクターやプロデューサー、プロジェクトマネージャー、シナリオライターなどゲームにおいての「企画」としての立場は様々です。
自分がいられる立ち位置にいればいいのでは。

ゲームの専門学校に関わってきて思うのは、面白いアイデアを思い付くスキルを2年で身に付けることは、とても難しい。
面白い企画を作れる学生は入学した時から既にプランナーとしての土台は出来ている。

アイデアを生み出す能力は、教えて身に付くものなのだろうか。
ダメ出しは出来たとしても、発想力はどうやれば身に付けさせられるのだろうか。

ゲームの企画職で大手に採用される人は、よく「傘」のような人だと言われています。
幅広く浅い知識があり、一つ深い知識、見識、経験がある人。

純粋に企画者で進む人は、好奇心旺盛で日々アイデアを考えているような人が向いていると思います。
「楽しそうだな」という理由だけで企画者を目指すのは、多分いつか苦痛になる。

面白い企画を作れるように教えられることがあるすれば、発想することの練習や物事のとらえ方、日常の過ごし方などでしょうか。


そんな僕は、授業で生徒達と大喜利もします。

生徒からのお題が「もしかして自分って宇宙人?そう思ったのは何故?」
僕「一人称がワレワレ」

そんなところで生徒の賞賛を集めるクソ先生なのです。


専門学校の1年生であれば、コンテストに企画を出すというのは初めてで、企画を書類として表現するのも初めてに近いでしょう。

A4サイズ1枚で企画を表現するだけでも本来難しいものなのです。

企画書を書いたことがない方、一度自分のアイデアを頭の中で一枚に構成してみてください。
どんな絵にしてどんな文章にするか。
絵もフリー素材か自作のみでネットで拾ったものはNG。複数人での参加は不可なので他人にデザインを頼んでもいけません。

本来「15秒ほどで内容を理解できる」まで出来れば基本的には、ステップ1は合格だと思います。
頭に描いている「ゲーム内容」を50文字位内の文章で分かりやすく書くだけでも学生には至難だったりしますから。


この手のコンテストにはありがちですが、企画内容や企画の可能性を評価するよりもデザイン重視になりがちです。

でも企画書は見た目が大事なのも事実なのですが、ペラコンに対しては、見る側もじっくり考察までしないので、華やかに見せられるデザイナーかグラフィックも出来る企画者が有利になりがちな気がします。
一般投票では、企画の本質、可能性まで見る傾向にないような。


遠藤氏の評価は、学校で習い始めて四ヶ月の学生に「製品化できるレベルの面白い企画」を求めているようにも思いました。
主催者側から出された適当な「テーマ」もあります。
正直、審査員でも模範となる企画を出すのは難しいのでは。
模範企画を見てみたい。

そんな中で、実名で初めてに近いコンテストに挑んだ学生に「業界を諦めろ」というのは、酷すぎる。

実際、ゲームの専門学校に進みながらくじけて諦めてしまう学生は多く、逆に「まだ諦めるな」とは思うのが実情です。

だから遠藤氏のコメントにショックを受け、本当に諦めてしまった学生もいたかもなと思うと切ない。


J・K・ローリングは、12社もの出版社に却下され、1社のみから採用されて「ハリーポッター」を出版しました。
それまでは、生活保護者としてコーヒー一杯でカフェでひたすら執筆していました。

もちろん彼女は面白い作品を創り上げた天才的な才能はあるのですが、本当の根っこの才能は、書くことを自身が楽しんでいたところではないでしょうか。

自分が楽しかったらいつか宝を見つけるかもしれないし、宝探しが楽しくなくなったら一休みするかきっぱり諦めてもいいです。

でも専門学校という職業を絞って進んだのに、20歳前後で諦めるのはまだ早いかな。


「ペラコン」は今年から本名や所属先を実名で出すかは本人の希望になりましたが、提出された企画を全て掲載するという趣旨も見直した方がいいのではないかと思いました。

上位30位ぐらいまで他者への参考までに掲載して、あと他の評価は各々個人に送ればいいのでは?


あとこれ、応募するのも実質的には無料じゃないんですよ。

応募条件に「CEDEC2021の何らかのパスを購入していること」とあります。
最低で1650円。

せめて製品化レベルになる要素、可能性のある企画が賞を取り、手を挙げる企業があった時には、産学連携で試作まで進むぐらいの夢は与えて欲しいものです。


と、いろいろ書いてはみたのですが、改めて見ると、遠藤氏がだんだんイラついてくるのも少しはわかってきます。

何故これに34点も一般投票が入るのか。
500作以上の中で何故か中の下の位置。

ちなみに企画内容の情報が本当にこれだけしかない。本名でもないし。いや、外国人??
応募者のコメントには、「タブレットで書きました」とだけ書かれていました。

悩みまくり


しかもプロ…。